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■ 小田急5200形(5270F)






私の場合、どうしても自分の見た事のない時代の車両に憧れるもので、
模型を作っても自然と昭和30〜40年代の車両が多くなってしまうのですが、
かといって日頃よく乗る最近の小田急電車が嫌いというわけではなく、
コレ模型で作ったら面白そうだなと感じる事もよくあります。
特に今回製作した5200形などは、最近の改良であちこち手を加えられた外観が
気に入っており、以前から機会があれば作ってみたいと思っていたので、
ちょうどやる気が出てきたときに思い切って作り始めてみました。
6両もあったのと、製作を進めるうちに思いつきであちらこちらに手を加えた関係で
完成までに三ヶ月近くかかってしまいましたが、なんとか形に出来てよかったです。
実はこの5200形後期車、2年ほど前にも一度作りかけたことがあったのですが、
その時は窓の加工の大変さに音を上げて結局出来上がらずじまいだったので、
今回の完成は尚更嬉しいです。

このページでは、この5200形について色々ご紹介させていただきます。
なお、製作の様子は製作記にまとめてあり、工作方法の詳細なども
書いてありますので、よろしければご覧下さい。





基本的な構成

グリーンマックス(以下GM)の小田急5000形キットと9000形中間車キット(中間車屋根を除きどちらも
同じ車体ランナーが入っている)を少し加工して製作しました。主な加工内容は以下の通りです。


・側面戸袋窓・ドア窓のHゴム削除

今回製作する5200形後期車(5259F以降)は戸袋窓とドア窓のガラス支持方式が
金属部品によるものとなっており、それまでの初期車や各系列にはあったHゴムがなくなった
窓周りが特徴となっていますが、キットの車体にはHゴムのモールドがあるので、
それを削除する事で後期車らしくしました。
戸袋窓のHゴムは凸型モールドなので、割箸などに貼り付けた紙ヤスリ(割箸に貼るのは、
なるべく平らに削る為)で丁寧に削り取り、凹型モールドのドア窓に関しては窪みに
液状瞬着を流し込んだ後、同じく割箸に貼った紙ヤスリで平らに仕上げました。
とりあえずこれでHゴムの削除は終わりですが、この状態で車体色のアイボリーを
塗装しただけだと戸袋窓がやたらと細く見えてしまう為、仕上げ段階でこの戸袋窓・ドア窓共に
断面に黒を色差しして少しでも板厚を感じさせないようにしました。
この方法は雑誌記事を見て真似させていただいた方法で、
やるとやらないではかなり違うようです。

なお、このHゴム削除作業時にドアレールのモールドを崩してしまったので、
思い切ってこのモールドは全て削ってしまい、塗装後に表面の印刷を剥がした
GMステッカー(金属箔材質の物)を細切りにして貼り付けることで復活させてみました。
きれいに真っ直ぐに貼るのがちょっと難しかったり、両開きドア合わせ目部分の
処理などがやや面倒だったりと幾つか難点がありますが、大変薄く仕上がり、
また材質の関係で金属の質感がよく出るなどのメリットがあるようです。
靴摺りも質感を揃える為に同じ方法で仕上げてあります。


・前面周りの加工

今回はあまり弄り過ぎず、なるべくあっさり・・・と思っていたのですが、
最近充実してきた小田急用細密パーツを見ているとどうしても使ってみたくなり、
結局あれもこれもと色々加工することに・・・。

まず、今回ヘッドライトはシールドビーム型ライトを装備したタイプとする事に
していた為、元のモールドを削ったり穴を開けたりと色々手を加えた上で
タヴァサのPX038(民鉄用前尾灯セット)を取り付けました。
このライトセットは小田急9000形などに使うことを想定しているようで、
1袋買うとヘッドライト・テールライトがそれぞれ2個ずつ入っている為、
ヘッドライトが両先頭車で合計4個必要な今回の5200形の場合は2袋用意する必要があります。

次に、前面の手すりはいつも通り、モールドを削り適宜穴開けの後、
クロスポイントの小田急用手すりパーツを取り付けました。
取り付け手順に関してはこちらのページの最後
ご紹介させていただいている方法と同じなので、よろしければご参照下さい。
今回は久々の作業だった為、取り付け位置をミスったりして何度も修正するはめになりました・・・。

こうした加工をしている最中にふと、実車に比べてちょっと縦長すぎるように見える
行き先表示窓が気になり出しました。
丁度その少し前に、クロスポイントのFM車用プレート車輪パーツの付録として
いわゆる“小田急顔”車両に使えそうな行き先表示窓パーツが収録されていることを
知ったばかりだった事もあって、思い切ってこの窓もいじってみる事にしました。
この部分の加工の様子などについてはGM小田急5000形 前面の小加工ページに掲載した為、
ここでは省略させていただきますが、ごく簡単な加工ながら雰囲気を変えるには中々有効なようです。
その他、標識灯もタヴァサのPN032(私鉄種別標識灯)に交換してあります。


・台車枠の交換

今までは、車体はあれこれと弄っても台車は既製品そのままという事が多かったのですが、
今回は偶然便利なパーツが入手できた事もあって加工してみました。
加工自体は、GMの小田急FS台車の側面を切り取り、そこにタヴァサのPS1427
(FS375台車枠)を接着するという簡単なものですが、数が多いので大変でした・・・。
こちらも、加工の様子などはこちらに書いてあるので、こちらでは省略させていただきますが、
結果はかなり効果的なようです。


・車高下げ加工

台車同様、「車高の調整」というのも今まではあまりやってこなかった部分なのですが、
台車のボルスターアンカーと車体との隙間が、もう少し少なくなればもっといいなと思い、
思い切って挑戦してみました。・・・といっても、加工自体は単純なもので、側板裏のリブを削り、
元のリブの上端だった位置が新しいリブの下端になるよう、適当なプラ材を接着するだけのことです。
この加工は、上にも書いた台車枠の交換と併せてやるとより効果的なように感じました。

以上が主な加工点で、その他にも細々と弄ってありますが、完成した車両を見てみると
現在の自分の技術ではやや無理がある加工というのも幾つかあったようで、
時間と手間をたっぷりかけた割には、ちょっと不満の残る仕上がりとなったのが残念です。




台車は前述の通り加工(ベース台車はGMの小田急FS、台車枠パーツはタヴァサPS1427)し、
パンタはTOMIXのPT-7113-B(LSE更新車用)、動力はGMの20m級用で連結器は先頭部のみ
ボディマウント型TNカプラー、中間部分はKATOカプラー密連型としています。
塗装はいつも通りで変わったところはなく、帯のブルー(GM22番)→アイボリー(GM21番)、
色差し・仕上げ→半光沢クリア(GM44番)→屋根(GM14番)の順に、それぞれ缶スプレーで塗装しました。

今回は当初、ちょっとした理由から5267Fとして完成する予定でしたが、
色々な都合により、最終的に5270Fとして完成しました。
新種別幕装備、小田原方先頭車が女性専用車・・・という現行仕様です。

画像はクリックすると拡大できます。
先頭車前面周辺。
奥が5270(新宿方)、手前が5570(小田原方)です。
主な加工内容は上の「基本的な構成」欄の通りですが、
前面窓周辺は無加工とした関係で実車のすっきりした
窓周りの雰囲気が出ておらず、多少感じが違ってしまいました。
窓ガラスは今回初めてキット付属のサッシ印刷窓の余白から
切り出してはめ込みましたが、普通の塩ビシートより厚みがある
関係で後述の断面への黒塗装がやりやすく、また接着剤を
塗布できる範囲も僅かながら広がるため強度もやや上がり、
予想以上に良い結果となりました。この印刷窓には後述の
戸袋窓部分の青みがかったガラスも含まれている為、
かなり使えます。ワイパーは運転席側のダブルアームタイプが
銀河モデルのN-040、助手席側のシングルアームタイプも銀河の
N-039から小さいほうを選んで取り付けました。

無線アンテナは当初キット付属のものを使う予定でしたが、ふと
以前製作したクロスポイント製のFM車キットに良い仕上がりのものが
含まれていたのを思い出し、早速使ってみました。
塗装が分厚くて折角のシャープなモールドが台無しに
なってしまいましたが・・・。信号炎管はKATO製を無塗装で使っています。その他、TNカプラー、スカートはキットの床板を適宜加工の上
取り付け、TNカプラーは電連を一段カット+色差しをしてあります。
この画像は拡大できません。

前述の窓ガラスの断面を黒く塗った様子。
ただ切っただけの状態だと、ガラス断面が妙に白く見えて
黒など暗い色のHゴムにはめ込んだ時に結構目立つので、
このようにHゴムと同じ色を塗っておくといくらかすっきりするようです。
この塗装は面相筆を使って注意深く断面だけに塗料を
のせていきましたが、この時ガラスが厚いものだと
大変塗りやすいです。

なお、先に仕上げた5570は断面無塗装のガラスをはめ込み、
その後で車体とガラスの継ぎ目に薄めた黒の塗料を
流し込む工法にしました。
どちらの方法も一長一短でどちらのほうが良いのかは微妙なところです。
小田原方先頭車は車椅子スペース表示や、
窓ガラスの女性専用車ステッカーなど色々な表示類が付きますが、
幸い最近リニューアルされたGMの小田急用ステッカーに
色々と含まれている為、難なくクリアできました。
新種別幕も前面・側面共にこのステッカーから
切り出したものを使っています。
各車両車端部の優先席表示や号車表示、
また5520(M4 デハ5500)の弱冷房車表示なども、
全てGMの新しい小田急用ステッカーから切り出したものを
使っています。Nゲージの大きさだとこのような表示類は
とにかく細かくて作業も中々大変ですが、
それなりに効果的なので、頑張って貼りました。

それにしても、この表示が貼られている位置がよくわからなくて
苦労しました・・・。一応それなりに法則があるのでしょうが、
中々覚え切れず・・・。とりあえず実車写真をそのまま真似して
みたつもりなのですが、もしかしたら多少間違っている部分も
あるかもしれません(^^;
パンタグラフ周りの様子。
配管はいつも通りランナー引き伸ばし線を接着剤で貼っただけの
お手軽仕様で、配管止めも炙って延ばしたプラ板で作りました。
ヒューズボックスと避雷器はGMの小田急1000形用を流用しています。
ランボードはキット付属の物を使いましたが、長さがやや不足している
ように感じたので、必要数に対しやや多めにパーツを用意して
継ぎ足してあります。

パンタグラフは上の基本的な構成欄に書いたとおり
TOMIXのPT-7113-B(LSE更新車用)で、台座はプラ板に
取り付け穴をあけただけのものです。

クーラーはキットの物をそのまま使っていますが、ルーバーには
黒のエナメル塗料で色差しをしてあります。
この模型ではちゃんと再現できていませんが、
実車の側面ルーバーは大きいほうと小さいほうで
多少色が違っているようです。
今回製作した編成は、一編成6両のうちデハが4両ありますが、
パンタグラフ周りが共通なのはM2(デハ5300 5320)と
M4(デハ5500 5520)だけで、M1(5220)、M3(5420)はそれぞれ異なっており、一編成で3パターンあります。

左の画像はそれらを並べてみた様子で、
奥から順にM1の5220(ランボードのみ)、M3の5420(パンタ撤去車・
配管そのまま)、M2・M4共通(パンタあり)です。
M3のパンタ撤去車は、パンタありのM2・M4とは配管が異なっています。
ランナー引き伸ばし線で作った配管は、妻面から屋根に
至るまで全て一体としてあり、実車に倣って妻面と屋根の
つなぎ目部分はやや上に湾曲させ、妻面裾で車体に
引き込まれる部分も同様に一旦曲がった形としてあります。
今回タヴァサ製の台車枠を使って改造した台車です。
数が多いので大変ですが、効果的なようです。
いつも通り、車輪表面も灰色に塗装してあります。
M2・M4(5320、5520)は床下山側にある抵抗器が大変目立ち、
5000・5200形の特徴の一つなので是非再現したいと思っていましたが、
自作できれいなものを作れる自信がなかった為、キット付属の
機器パーツを加工して作りました。M車用として入っているパーツ(3と刻印のあるランナーのもの)の中央部分(=□=状の形の部分)を切り取って
二つに分割し、間に別のランナー(刻印などは不明ですが、
京急旧1000形キットなどの18m車に最近付属するようになったタイプ)
から切り出したルーバー部分を3つ並べて接着しました。
やや荒っぽい仕上がりとなってしまいましたが、
多少は雰囲気が出たかなと思います。なお、この方法は
自分で編み出した物ではなく、以前ネット上で拝見した
作品を見て真似させていただきました(^^;
新宿方先頭車は、将来の4連二段電連装備車との
連結に備えてなのか、スカートが連結した車両の
二段電連に干渉しないような形に改造されているようなので、
模型でも同様に加工してみました。元々上から見ると∧のように
出っ張っていた連結器下の部分が平らに(一段引っ込んでいる
編成もある?)されているようなので、模型でもスカートパーツを
金属ヤスリで平らに削ってみました。
今回は上にも書いたとおり、タヴァサのホワイトメタル製スカートを
使いましたが、このホワイトメタル、普段プラ加工に使っているヤスリでも
サクサク削ることができました。
戸袋窓のガラスは、いつものように青みがかったものとしてみました。
上にも書いたとおり、GMの小田急5000形キットに含まれる
サッシ印刷窓から戸袋窓部分のみを切り出して使っています。

なお、その他の部分のガラスはタミヤの0.2ミリ透明プラ板を
使っています。




当初、あまりゴチャゴチャと手を加えすぎず、とにかくきちんと完成させることを
第一の目標としていたにもかかわらず、ついつい弄繰り回してしまいましたが、
何とか完成させられてよかったです。

ちょうど今回の模型を作り始めた06年5月頃の5259F(5200形では初めて
ガラス支持方式が金属部品になった編成)を皮切りに、“小田急顔”を残す
最後の系列となった5000系列もいよいよ廃車がはじまりました。
大好きな電車ですから、早めに実車の撮影もしておきたいものです。

画像は登場当初の5000形第一編成と、現行仕様の5200形最終編成。
塗装や前面デザインが同じなので一見大して変らないように見えますが、
実はかなり進化しているんですね〜。


展示室TOP